注文住宅に地下室は造るべき?メリット・デメリットや設計時の注意点について解説!
「ゆとりのあるスペースが室内に欲しい」といった理由で、注文住宅に地下室を造りたいと考えている方もいるかと思われます。地下室はシアタールームやプライベートジムなどアイディア次第でさまざまな使用方法が考えられますが、一方で注意すべき点もあります。今回はそんな地下室のメリットやデメリット、設計時の注意点について解説します。
注文住宅に地下室を設けるメリット
まずは注文住宅に地下室を造るメリットについてご紹介します。
防音性に優れた空間を作れる
地下室は地面に囲まれており、床や壁も耐久性に考慮した造りとなっているため、非常に高い防音性を誇ります。防音性が高く、周囲への迷惑も掛からないため、地下室にシアタールームやカラオケ場をつくったり、ギターやドラムなどを設置して楽器を演奏したりすることも可能です。また、周囲の音や雑音を遮断できることから、読書や作業をしたいときなど、集中して物事に取り組むスペースとしても活用できます。
シェルターとして使える
地下室は耐震性も高く、頑丈であり、大きな揺れの影響も軽減できるため、万が一大地震などの災害が発生した際には、シェルターとして活用することも可能です。
食料・飲料の保管庫として使える
注文住宅に地下室を造る際には、建築基準法によって調湿・換気を行うための設備の設置が義務付けられており、外からの影響も少ないため、ほかの空間と比較すると気温や室温の変化が少なく安定しやすいです。
この特性を活かし工夫を加えることで、地下室は食料や飲料の保管庫として使うこともできます。また、地下室は湿度と温度が一定に保たれやすく、長期間のワインの保存や熟成にも適していることから、ワインセラーとして活用することもできるため、ワイン好きの方にもおすすめです。
注文住宅に地下室を設けるデメリット
地下室はさまざまな用途に使えるため、注文住宅に地下室を造ることで数多くのメリットを得ることができますが、もちろんよいことだけではありません。続いて注文住宅に地下室を造るデメリットについてもみていきましょう。
お金がかかる
注文住宅に地下室を造る主なデメリットは、多額の費用が必要となる点です。地下室を造るためには地盤が崩れないように対策し、重機で土を掘り、鉄筋を配置するなどさまざまな工事を行う必要があるため、その分費用もかさんでしまいます。地下室の基本的な構造をつくるだけでも大規模な工事が必要であり、加えて換気や調湿設備の設置も義務付けられているため、設備工事も行わなければなりません。
土地によって限られる
地面の下に水脈があり、土を掘り進めていくことで浸水の可能性があるという土地の場合、施工を行うことはできません。そのため、地下室を検討する際には、あらかじめ造れる土地を選ぶ必要があり、仮に土地に問題がなかったとしても充分な広さの地下室が造れないといったケースも考えられます。
地下室を造るためにかかる費用
注文住宅に地下室を造る際には、一般的な注文住宅を建てるよりもさらに費用がかかります。建築にかかる主な費用としては地盤調査費や設計費、工事費などがあり、費用相場については地盤調査が25~35万前後、設計費が30~90万程度かかるといわれています。
また、工事費については各工程によって費用は異なりますが、地下室を造るために地面を掘り返す掘削工事費で150~250万程度、地下室に水が侵入しないように膜を張る防水工事で70~100万程度、調湿・換気を行う設備の設置を行うための各種設備工事費で100万円前後の費用が必要です。
快適な地下室を造るためには?
快適な地下室を造るためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。最後に、地下室を造る際のコツについて解説します。
湿気対策を忘れずに
地下室の周りは土に囲まれており、室内に湿気が溜まりやすいです。結露やカビも発生しやすいため、しっかりと対策をするようにしましょう。主な換気方法としては、換気システムを整えたり、設置されている換気・調湿設備に加え、エアコンやサーキュレーターを併用したりするのが効果的でありおすすめです。
土地のリサーチ
地下室は家を建てる立地などによって広さや快適さが変わるため、入念なリサーチは欠かせません。家を建てる予定の土地がどのような形状なのか、地盤はどうなっているのか、補強が必要か否か、そもそもその土地に地下室を造ることができるのかなど、必要であればプロに相談し、しっかりと家を建てる予定の土地についてチェックしておくようにしておきましょう。
用途を明確にする
「せっかく地下室を造ったものの、実際に住んでみたらとくに必要なかった」と後悔してしまうケースもあるため、注文住宅に地下室を造る際には使用用途や目的を明確にしておくようにしましょう。
まとめ
この記事では、注文住宅に地下室を造りたい方に向け、地下室のメリット・デメリット、造るためにかかる費用、注意点について解説しました。地下室を造ることで、シェルターやシアタールーム、ワインセラーなどさまざま用途に活用できる一方で、造る際には一般の注文住宅よりも高額な費用がかかるため、メリット・デメリット双方についてしっかりと把握しておくことが大切です。これから地下室を造るという方や、地下室が気になったという方はぜひ本記事を参考に、地下室を造るか検討してみてください。