注文住宅の建築コストを安く抑えるテクニックについて解説!

公開日:2022/05/30  

建築コスト

自分の理想を実現できる注文住宅に、憧れを持つ人は少なくありません。賢く・損をせず・相場よりも安く、注文住宅を手に入れるには相場や建築コストの内訳を把握する必要があります。あわせて注文住宅の建築コストを抑えるテクニックを知り、後悔しない注文住宅を依頼しましょう。また、決して削ってはいけない建築コストと理由を解説します。

注文住宅を建てる際にかかる費用の内訳

注文住宅を建てる際にかかる費用は、大きくわけて5つあります。土地購入費・本体建築費・そのほかの工事費・設計料・諸費用です。なお、土地を所有している場合、土地購入費は不要となります。

土地購入費

土地購入費は、土地代以外にも多くの費用がかかります。「不動産会社への仲介手数料」として、土地の売買価格の3%+6万円を上限。契約書にかかる「印紙税」、所有権の登記にかかる手数料と司法書士への報酬。不動産所得に対する「不動産所得税」、土地所有に対する税金として「固定資産税・都市計画税」、ローンを組む際の手数料・利息。そして、土地の売買以外に対する消費税を支払う必要があります。

本体建築費

建物そのものの建築にかかる費用は、土地購入費を除く費用全体の約70%を占めます。足場組立などの「仮設工事費」、建物全体を支えるための「基礎工事費」「木工事費」「内外装工事」、そして空調やキッチン・浴室などの「設備工事費」が本体の建築にかかる費用です。場合によっては、注文住宅の設計料も本体建築費に含まれることもあります。

そのほかの工事費

土地購入費を除く費用全体の15%から20%程度を占めます。駐車場・庭などの「外装工事費」、水道・ガスを家の敷地まで引き込む費用。配電盤などの「設置費用」。地盤調査や地盤改良工事といった建物を建てる基盤を整える工事費も含まれます。

設計料

注文住宅での要ともいえる設計料は、本体建築費の10%から15%程度を占めるのが一般的です。設計監理料が明細に記載されている場合、設計図どおりに施工されたかどうかの管理・監督された際の費用を指します。

諸費用

土地購入費を除く費用全体の5%から7%程度を占めます。ハウスメーカーや工務店の契約に関する手数料や印紙代。不動産取得や住宅ローンにかかる税金。火災保険などの保険料、ローンを組む際の手数料や保証料。さらには、地鎮祭や上棟式などにおける謝礼などが必要です。

注文住宅の建築コストを安く抑えるテクニック

国土交通省による「令和2年度住宅市場動向調査報告書」では、注文住宅にかかる費用の平均額が確認できます。注文住宅の購入資金の全国平均は4,606万円、内土地の購入平均資金は全体の約34%です。

三大都市(東京・名古屋・関西圏)では少し平均資金が上がり、注文住宅の購入資金の平均は5,359万円、内土地の購入平均資金は全体の約41%程度となります。高額な出費となる建築コストを安く抑えるテクニックは、以下のとおりです。

壁・屋根材・和室を削る

シンプルなデザインの住宅は、建築コストを抑えられます。凹凸が多ければ、その分、外壁量が多くなり、補強材なども含めて高いコストになるでしょう。和室は畳がある分、洋室のみに仕上げることで数万円単位の節約が可能です。

住宅の外まわりやオーダー品は後回しにする

植栽や門などは、あとから容易に付け足すことが可能です。工期を短くすることで、工事にかかる融資利息が削減できる可能性が高い傾向にあるといえます。防犯面や安全面と融資利息とのかね合いをみて、調整するのがおすすめです。また、オーダーカーテンなどは費用が高いため、既製品も確認するとよいでしょう。

注文住宅の建築コストを削る際の注意点

建築コストを削ると出費が抑えることができます。しかし、建築コストを抑えることで予期せぬトラブルや、不満が残る注文住宅になってしまうことも。以下の2点は、とくに失敗しやすいポイントです。建築コストを削る際は慎重に検討しましょう。

セキュリティ関連のコストは削らない

住まいは、安心して過ごせる場所でなければいけません。外から目につきにくい箇所の窓には、格子をつけたり、防犯ガラスにしたりするなどして、セキュリティ関連のコスト削減は、避けることをおすすめします。

ランニングコストを視野に入れた住宅設計を行う

住宅性能を低くすると、建築コストは抑えられます。住宅性能とは、たとえば断熱・保温・通気に優れた住宅です。断熱や保温にかけるコストを削ってしまうと、エアコンなどの冷暖房費がかさんだり、部屋の温度差が激しく体調不良(ヒートショックなど)を引き起こしたりする恐れがあります。日々を過ごすうえでのランニングコストも視野に入れ、思わぬ出費を生み出なさいように注意しましょう。

 

少子高齢社会が深刻化する現代では、注文住宅を購入する際の費用は将来の不安要素になりかねません。とはいえ、憧れやこだわりが詰め込める注文住宅を諦めるのはもったいないです。設計・建築業者に任せっぱなしにするのではなく、ランニングコストの確認や出費を抑えられる箇所は削減するようにしましょう。相場と照らし合わせて予算を設定し、住宅に反映させたい希望に優先順位をつけるのもおすすめです。

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